「武田五一と温泉」というテーマを与えられて、いろいろ調べています。

この写真は、石川県山中温泉の総湯(共同浴場)「菊の湯」です。武田五一設計、RC造で、昭和5年の建物でしたが、残念ながら老朽化で解体されました。平成4年に、旧の建物を復元して新築されました。この写真は、昨年夏に撮影してきたものです。

外観は、共同浴場とは思えない、まるで寺院のような建物で、軒先には風鐸まで付けられています。内部は、外観とはうって変わって、柱や天井にRCの構造がそのままむき出しでした。長細い建物の両側に出入口があり、内部は3室で、中央に浴室1室、各出入口に脱衣室がそれぞれ1室という構成でした。左右の脱衣室のいずれからも、同じ浴室に入る形です。おそらく、建築当時は混浴だったものと思われます。その後、男湯専用となっており、女湯はとなりにあった福祉センターの浴場を利用しておりました。

平成14年に、広場を挟んだ向かいに、この「菊の湯」とそっくりな女湯専用の共同浴場の付属した施設「山中座」が新築されました。

「高知遺産 いきなり、東京展」の開催です。

この春、高知で発売早々に話題となり、たちまち増刷となった『高知遺産』。この本の元ともなった「高知遺産展」が、東京にやってきます。会期は、7月13日から8月14日まで。会場は西池袋のポポタムさん。

写真は、昨年、小生が撮影した旧高知県立第一中学校(現、県立追手前高校)の建物。武田五一の設計です。小生は「高知遺産展」には出品しておりません、念のため(笑)。

この秋、文京ふるさと歴史館で「建築家・武田五一展(仮称)」が開催されます。

この企画展は、東京都文京区の文京ふるさと歴史館と、愛知県名古屋市の名古屋市立美術館の共催によるもので、これまで未公開だったものなども沢山展示される予定です。

・文京ふるさと歴史館「建築家・武田五一展(仮称)」
  2005年10月22日~12月 4日
・名古屋市立美術館「名古屋近代建築運動史の群像I 武田五一-建築意匠と装飾-」
  2006年 1月28日~ 3月26日

小生も、市民協力者に入れてもらってお手伝いをしており、図録に載せる小文などを書いております。以後、文章を書くにあたって見つけた面白い情報などを、お知らせします。ご期待ください。

話の順番が逆になってしまいました。武田五一が関わった温泉は、現在のところ3つが確認されています。これは、武田五一マニアの小林淳男さんの労作によります。

・石川県山代町「山代温泉共浴場」昭和4年
・石川県山中町「山中町営共同浴場(総湯「菊の湯」)」昭和5年
・和歌山県白浜町「崎の湯」昭和9年

これらは、残念ながら、いずれも現存しておりません。

山代温泉と山中温泉は、同じ加賀温泉郷にある隣町です。当時、山代温泉、山中温泉、そして和歌山県の白浜温泉共、鉄道が発達し、大阪から半日程度で行けるようになって賑わいはじめた温泉地でした。南と北ですが、大阪からの距離では同じような位置にある温泉地です。

和歌山県白浜温泉の「浜の湯」の建物も、武田五一の建物の特徴があり、あるいは武田五一物件かも知れません。また、同じ昭和初期の共同浴場としては、島根県江津市の有福温泉「御前湯」が現存しています。写真は、昨年小生が撮影してきた「御前湯」です。武田五一とは関係のない建物ですが、同時代の共同浴場として、白浜温泉「浜の湯」と似た点が見受けられます。

ずいぶん前から居酒屋さんの入っているビルです。数年前、建物全体がシートで覆われたときには、解体されてしまうのではないかと心配しましたが、塗装工事でした。

お菓子屋さんです。角のところに、背中に羽根の生えたエンゼル像が立っています。

牛乳屋さんというのも、けっこう各地にモダンな建物が建っています。最先端の、カッコイイ、そして栄養価の高い飲み物だったのでしょう。

昨日の旧医院の近所にある建物です。何屋さんだったのでしょう。文字看板跡がうっすら見えるのですが、判明できません。

今日も、「まちかどの近代建築写真展in文京区」へ向けての写真です。

この建物も、旧医院の建物です。入口横が診察室ですね。

今日も、「まちかどの近代建築写真展in文京区」に向けて撮影してきた写真をアップします。

こちらも、医院です。デコボコしたドイツ壁が、いい味を出しています。お隣の看板建築も気になりますネ。